高速道路の料金収受システムが進化し、より便利で付加価値の高いサービスが提供されています。従来のETCからETC2.0へと移行することにより、渋滞や災害情報のリアルタイム提供、割引料金の適用、一時退出時の料金免除などの新機能が利用可能になります。このブログでは、ETC2.0の概要と従来のETCとの違い、主な特徴やサービス内容について詳しく解説します。
1. ETC2.0とは?
ETC2.0は高速道路の料金収受を自動化するシステムの新しいバージョンです。従来のETCに比べて、ETC2.0は料金決済だけでなく、さまざまな情報サービスも提供します。以下にETC2.0の主な特徴をまとめました。
デュアル通信方式の導入:ETC2.0では、マイクロ波通信とデータ通信(LTEや5G)を組み合わせるデュアル通信方式が採用されています。これにより、高速かつ安定した通信が可能となります。
国際的な利用に対応:ETC2.0は従来のETCが日本国内に限られていたのとは異なり、国際的な利用も見据えて開発されています。これにより、海外でもETC2.0を利用して便利に料金支払いや情報サービスを受けることができます。
リアルタイム情報の提供:ETC2.0では、高速道路の渋滞情報や駐車場の空き情報などのリアルタイム情報が提供されます。通信機能の向上により、受信できる道路交通情報の範囲も広がっています。
機能の強化と連携:ETC2.0では位置情報や渋滞情報を活用した機能が強化され、車載カーナビやスマートフォンとの連携によって広域の渋滞情報や迂回情報、事故発生情報などをリアルタイムで取得・活用することができます。
ETC2.0の導入にはこれらの特徴があり、より便利な利用が期待できます。次のセクションでは、ETC2.0の主な特徴について詳しく解説していきます。
2. 従来のETCとの違い
従来のETC(第1世代)とETC2.0との間にはいくつかの違いがあります。以下にその主な違いを説明します。
ETC2.0の追加機能
ETC2.0では、従来のETCには存在しなかったいくつかの新しいサービスが追加されています。これにより、より便利にETC2.0を利用することができます。具体的には以下のような機能が追加されています。
- ①広範囲の交通情報をリアルタイムで入手できる
- ②災害情報も受け取ることができ、より安全な行動が取れる
- ③高速道路からの一時退出・再進入時に料金が免除されることがある
- ④ETC2.0利用者だけが受けられる特別割引(例:圏央道)が適用される
ETC2.0のサービス拡充
ETC2.0は、従来のETCが主に料金収受システムに特化していたのに対し、情報サービスの基盤へと進化しています。ETC2.0では走行中でも情報のやり取りが可能であり、これにより新たなサービスが提供されるようになりました。
ETC2.0対応車載器の必要性
ETC2.0を利用するためには、ETC2.0に対応した車載器が必要です。従来の車載器ではETC2.0のサービスを受けることができません。したがって、ETC2.0の機能を十分に活用するためには、ETC2.0対応の車載器への買い替えが必要です。
ETC2.0導入拡大の影響
ETC2.0の導入が進むにつれて、従来のETCが使用できなくなる可能性が心配されるかもしれませんが、現時点では従来のETCも引き続き利用することができます。ETC2.0への移行は、料金収受システム自体の変更ではなく、付属サービスの充実が主な目的です。ただし、将来的にセキュリティ上の理由から、旧規格のETCが使用できなくなる可能性もあります。
以上が従来のETCとETC2.0の主な違いです。ETC2.0は料金支払いだけでなく、さまざまな情報サービスも提供しており、今後さらなるサービス拡大が期待されます。
3. ETC2.0の主な特徴
ETC2.0は次世代型のETCであり、従来のETCと比べてさまざまな特徴があります。
3-1)広範囲の交通情報を素早く入手できる
ETC2.0は通信機能が向上しており、最大1,000kmの範囲から事故や渋滞などの道路情報を入手できます。これにより、目的地までスムーズに移動するためのサポートを受けることができます。また、ETC2.0はカーナビと連動しており、迂回ルートの自動選択により、運転に集中できるという利点もあります。
3-2)災害情報も受け取れて安全行動が取れる
ETC2.0には災害情報の受信機能が搭載されています。地震などの災害が発生した場合、ETC2.0は音声で地震発生を知らせるだけでなく、適切な安全行動を案内してくれます。例えば、地震が発生した場合は後方を確認しハザードランプを点灯し、ゆっくりと左側に停車するように教えてくれます。
3-3)高速道路からの一時退出・再進入時に料金が不要になる場合がある
ETC2.0の特徴の一つは、一時的に高速道路を降りることや再び乗り直すことがあっても、料金がかからない点です。この「賢い料金」と呼ばれるサービスは、対象となるICからの入退出でのみ適用されます。具体的には、降りた場所と同じ方向で再進入し、対象の道の駅に立ち寄り、退出してから3時間以内に再進入することが条件となります。現時点では利用できる道の駅は限られていますが、将来的にはさらに多くの施設でこのサービスが利用できることが期待されています。
3-4)ETC2.0利用者だけの割引を受けられる(圏央道)
ETC2.0を利用すると、特定の道路で割引を受けることができます。たとえば、圏央道の一部区間ではETC2.0の利用者は通常料金の約2割引きで利用することができます。その結果、高速道路をお得に利用することができるのです。
以上がETC2.0の主な特徴です。ETC2.0を利用することで、広範囲の交通情報や災害情報を受け取ったり、安全な運転をサポートしてもらったり、料金を節約したりすることができます。また、今後ますますETC2.0のサービスが拡大することが期待されています。
4. サービスの詳細
ETC2.0には、従来のETCにはなかったさまざまな特徴とサービスが備わっています。以下では、ETC2.0の主な特徴とそれに伴うサービスについて詳しく説明します。
① 広範囲の交通情報を素早く入手できる
ETC2.0は通信機能が向上しており、従来のETCよりも受信できる道路交通情報の範囲が最大1,000kmと拡大しています。これにより、より広範囲の事故や渋滞などの道路交通情報を素早く入手することができます。また、ETC2.0がカーナビと連動している場合は、迂回ルートを自動で選択してくれるため、運転に集中することができます。
② 災害情報も受け取れて安全行動が取れる
ETC2.0には、地震などの災害発生時にそれを知らせてくれる機能も搭載されています。災害情報は発生と同時に音声で知らせてくれるだけでなく、取るべき安全行動も提供してくれます。これにより、いざというときに安全な行動を取ることができます。
地震発生時の音声案内例:
地震発生、通行止です。後方を確認しハザードランプをつけてゆっくり左側に停車してください。
③ 高速道路からの一時退出・再進入時に料金がかからない場合がある
ETC2.0の特徴の一つとして、高速道路から一時的に退出して再進入した場合に料金がかからないサービスがあります。これは「賢い料金」という名称で実施されており、以下の条件が必要です。
- 対象となるICからの入退出であること
- 退出したときと同じ方向で再進入すること
- 対象の道の駅に必ず立ち寄ること(国道側から道の駅に入る)
- 退出してから3時間以内に再進入すること
現在は試験段階で利用できる道の駅も限定されていますが、将来的に本格導入が期待される特徴的なサービスです。
④ ETC2.0利用者だけの割引を受けられる
ETC2.0利用者には特別な割引もあります。具体的には、圏央道利用分(新湘南バイパスを含む)で約2割引きで利用することができます。ただし、対象区間や利用条件がありますので、詳細は各公式サイトをご確認ください。
【割引対象区間】
– 圏央道:茅ヶ崎JCT~海老名JCT、海老名~木更津JCT
– 新湘南バイパス:藤沢~茅ヶ崎JCT
一部区間のみですが、割引を受けられることで高速道路の利用料金を抑えることができます。
以上がETC2.0の主な特徴とサービスです。ETC2.0を利用することで、より便利で快適なドライブライフを送ることができます。
5. デメリット
ETC2.0の導入には、様々なメリットがありますが、同時にいくつかのデメリットも存在します。
デメリット
- 車載器の導入が必要: ETC2.0を利用するには、専用の車載器を取り付けてセットアップする必要があります。車載器を導入しなければ、便利なサービスを利用することはできません。
- 割引の限定範囲: ETC2.0の割引は一部区間や特定の道路に限定されています。そのため、割引を受けることができる範囲は限定的です。
- 他の情報収集手段の存在: ETC2.0では広範囲な交通情報を受け取ることができますが、一部の情報はスマートフォンなど他の方法で収集することも可能です。
以上がETC2.0のデメリットです。利用者にとっては、広範な交通情報や災害情報の受信、料金割引などのメリットがありますが、車載器の導入や割引の限定範囲などのデメリットも考慮する必要があります。それぞれの状況に合わせて利用方法を選択することが重要です。
まとめ
ETC2.0は新たな機能と特徴を備え、従来のETCシステムを大きく進化させたものです。ETC2.0の導入により、利用者は広範囲の交通情報やリアルタイムの災害情報を得られ、さらに割引サービスの適用によって高速道路をより安く利用できるようになりました。一方で、ETC2.0対応の車載器が必要となるため、初期投資が必要となるデメリットもあります。しかし、ETC2.0のサービス拡大により、より便利で快適な高速道路利用が期待できるでしょう。これからのドライビングライフにETC2.0は欠かせないツールとなりそうです。
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